ソーラーシェアリングに関するQ&A                もどる

 

1、パネルの盗難が心配です。

   190W実売価格約5万円のものをハシゴをかけて感電する危険を冒して盗む者はまれと思います。

   パネルだけを盗んでも利用価値はなく、また再販する方法もありません。宝石、現金、クルマなどに比

   べ盗みの対象物として重くてかさばるわりに安く魅力は乏しいので心配無用と思います。

   制度的には天災を含めた保険制度による補償が良いしくみと言えるでしょう。

 

2、架台の柱が農作業の妨げではないでしょうか

   何もない田畑に比べて少し農作業に柱に当たてはならないという制限が加わります。また柱の列上の

   ラインは耕作出来ない場所になります。量的には1反で6%ほどになります。農作業する機械は柱等を

   避けて作業できる運転性能を持っておりますので「ソーラーシェアリング」導入のデメリットをどの程度と

   感じるかによるものと思われます。将来は耕耘機等に自動柱検知・回避機能などの機械の改良で対処

   可能ですので心配いりません。

 

3、架台の柱によって耕作できない部分は農地の転用にあたると指摘されないですか

   2013年3月末に農水省からソーラーシェアリングに関する指針が出ました。   指針はここ

 

   この指針で柱の部分を転用とされましたが、これは現行の農地法を改正することなく農業委員会の

   職掌として「ソーラーシェアリング」が適正に行われているかを「監督指導する権限の裏付け」として、便宜

   的に考えられた手法です。小さな部分の転用扱いですが、農家がソーラーシェアリングを実施するときには

   農業委員会の許可と耕作状況の監視を受け、不適正なときには太陽光発電装置の撤去まで求められる

   ことになります。

    ひとえに耕作をまじめに行わない売電目当ての形ばかりの「ソーラーシェアリング」を防止する目的です

   から導入計画を立てる方は耕作の維持を最重要課題として取り組むことが肝要です。

    この指針によって農家の収入や資産価値を倍増できる可能性を秘めた、この「ソーラーシェア リング」

   の実用化を、健全に発展させていけることが期待されます。

 

4、農村風景の悪化が心配です。

   架台のデザインや色調によって温室群や果樹棚などと同等以上には洗練可能です、内陸部の酷暑や

   灌漑用水の節約にもつながり未来の田園風景として定着することが期待できます。

 

5、屋根に設置するよりコストが上がるのでは

   屋根の設置には屋根の加工(穴空けや金具の取り付け)代、足場代、危険作業人件費などが加わり平

   均的な実勢価格は40万円ほどになります。Hさんの例ですと値引き(38%)後の値で日本瓦取り付け

   金具と 工事費で37万円(値引き前57万円)弱取られています。(金具はプレス成形板金もの工事は

   丸2日にしては高い)   現段階の庭に設置した場合電気工事を除き自分で行うことをした場合にパイ

   プを庭に組んで設置すれば屋根から落下する危険がないのでDIYで出来、部材費は15万円前後見込

   めばすみますので差し引き22万円が割安になり修理代としてプールできます。

   さらに屋根に取り付けると屋根自体の塗装時に余分の費用や途中の工事でまた雨漏りが生じやすくな

   ります。屋根の上の工事は何をどうしたか職人さんを信用するほか無く自身の目でチェックできません。

   うまくできていることを祈るばかりの領域ですがメーカー保証は得られます。先の22万円を工賃と保証

   費が含まれると考えてもパネル1枚5万円前後のものなのですこし高い気もします。

 

6、風に飛ばされる危険が大きいのでは

  屋根では垂木が腐っていないことが重要です。新築でも竜巻や突風でよく屋根が飛ばされますので何処

  までの風速に耐えられるかが問題になります。滅多にない風速にも絶対耐えようとすると必然的に不沈

  船舶を望むことになり合理的とは言えません。屋根上でも竜巻には耐えられないと同じように田畑上の

  ソーラーシェアリングの設備はほどほどの強度を目指すが合理的です。突発的な自然災害は保険制度で

  助け合うことになります。ただし実証試験場のように「ソーラーシェアリング」のソーラーパネルの設置角は

  自由に変更可能の軸を持っているので大風が予想されるときは水平にして風を逃がすことが可能なので

  頑丈な基礎工事を原則行わない構造を指向しています。また1号機のように幅が狭ければ風圧はさらに

  小さくなって架台への負荷を減らすことが出来ます。

 

7、メーカーの保証はどうなりますか

  2011年3月時点では屋根以外の設置に対し製品保証をするメーカーはありませんでした。将来ソーラー

  シェアリングが実用になる時代が来れば政府やユーザーの要望と、架台に取り付け方法の熟成によって

  保証される時代が来ると確信しています。

 

8、日本全国では発電設備コストが膨大でないでしょうか

  貯金するより良い利回りになるよう、また売電による収入を原則無税にする等の民間の資金が太陽光発

  電に流れるような仕組みさえ作れば国家予算はほとんど必要としません。太陽光発電に適した屋根を持

  たない多くの国民が参画出来る仕組みが大切です。

 

9、天候に出力が左右されて安定電力の供給が困難では

  曇りでも雨が降ってもそれなりの出力が得られますので全国に「ソーラーシェアリング」が分布すれば雲の

  流れる速さで出力が変わりますが全国的に見れば発電が減ったところと増えたところが雲の動きによって

  変わるだけで全体の変化は大変緩やかになります。一軒の屋根での急激な変化が太陽光発電の普及に

  よって緩やかにできることを認識する必要があります。

  メガソーラーやソーラー住宅を集中させて行ってきた従来の一局集中形開発は太陽光発電の欠点を助長

  して普及する以前に蓄電池やスマートグリッドの必要論になって、実際には太陽光発電の普及を妨げてし

  まっています。太陽光発電の大普及の良い方法は「小さな設備を広い範囲に分布させて普及を計ること」

  が一番重要になります。

 

10、原子力が無ければ夜の電力供給はどうなるのですか

  太陽光発電が30%くらいまでは昼間の化石燃料使用量を節約して夜は化石燃料に頼れば,全体の化石

  燃料使用量が減り炭酸ガス排出量が減ります。昼間の使用電力量を超えて太陽光発電・風力発電の発

  電量が増えたときに初めて夜のための蓄電が有効に作用することになります。そのころには大容量で安価

  な次世代の電池、「ナトリウムイオン電池」の実用時代になっていることでしょう。

   現在原子力による発電量は54基中0基になりました。今が原子力に依存しない日本です。化石燃料費

  がかさみ貿易赤字が増大し、電力会社の収支も悪化しています。これを理由に再稼働を目論む者も多い

  ですが、これは昼食におむすびを買ったら腐っていたのでパンを買い直したに等しく、最初から化石燃料

  にすればこのようなことにはなりません。すなわち原発設備が不良資産になった一時の苦痛にすぎません。

  皆で省エネを進め化石燃料の消費の抑制し、自然エネルギーの普及拡大によって克服出来るでしょう。

   原子力技術を残すべきと言う主張もありますが、危険で高い原発、100年以下で枯渇するウラン燃料問題、

  原発労働者の被爆問題、あらゆる意味で人類の何十万年の歴史の中で「つかの間の浅はかな技術」を維持

  するために有為な若者を犠牲にする理由は微塵もありません。原発は20世紀「最大の失敗」であり、まった

  く残すに値しない技術なのです。 自然エネルギー推進は日本経済が沈没するようなことにならないどころか

  負の遺産を増やし続けることから脱却し、日本がエネルギー大国になるチャンスなのです。